実家の母とわたし


昨日は、実家へ一泊した。
すると、いままでの母とわたしの力関係が、ガラッと変わって見えるのである。

いままでは、母が一軒家の主で、わたしは単なる居候だった。
しかし別居してみると、わたしは、隠居している母の元に、時々やってくるお客さんになったのである。

母は、自分のことばかり一方的に話すのではなく、わたしの話も聞いてくれた。
そしていままでの、養ってやっているのだという、なんとなく横柄な態度が消えたように思われた。
わたしはそれで、昔のように、わたし一人で生きていく気楽さのようなものを思い出した。
いい感じだ。

そしてこれで将来、母の介護にべったりつかなければないならないのではないかという恐怖がなくなった。
しかしちょっと気になったのだが、わたしがマンションで一人暮らしすると宣言したあと、母は急に、自分の年金額・貯金額を明かし始めたのである。
そして、自分はいざとなったら、なんとかその辺の老人ホームに入って、死ぬまで貯金でなんとかできるのだと、介護の不安に怯えていたわたしに、今頃になって言った。
いままでそれを言わなかったのは、なぜだろう。
もしかしたらやはり、わたしに面倒を見てもらいたかったということなのかな。

わたしの方も、1ヶ月ぶんの生活費を見直すことで、貯金が尽きる時期が、予想していたよりもかなり遅くなるのではないかという見通しがついた。
それに忘れていたが、このままいけば65歳から、企業年金が出るのである。
たぶんその頃には、世の中も変わって、制度も違ったものになっているだろう。
いま、ちまちま計算して、マンションを維持できるかどうかを考えても仕方がない。

母は、生姜湯を飲みながら、「〇〇さんのいる創価学会の会館にこの前行ったけど、昔とは全然違うんやなあ」と言った。
「昔はなんや、ボロボロで、貧乏人ばっかりが集まるとこって感じやったけど、いまはピカピカでビックリしたわ」
「いまは全然違うで。弁護士とか代議士がおんねんで」
「若い人もいっぱいおってな。よう話しかけてくれるし、ああいうところで、お茶飲みにでも行こうかな」
「ええやん。いきーや。そこで友だち作ったらえーやん」
宗教というのは、こういうふうにはまっていくのかもしれないが、別に新興宗教でないし、わたしは友だち作りでもいいのではないかと思った。
なんだかんだ言って母は、たった一人で生活したことがないのだ。

ひとしきり母と猫と話したと、わたしはさしあたっての服とか鍋を袋に詰めて、マンションに帰った。
契約したスペースの自転車置き場に自転車を停めると、じんわりと、ここがわたしの住み処なんだと思えた。
何年間になるかわからないけど、ここで人生を歩んでいこう。
人生の何度目かの新しいステージだ。

それから、おとといの残り物を食べて夕食とし、オッドマンチェアに沈みこんで、「スパイダーマン」を観た。
こういう番組は、実家じゃ見られなかったんだよな。
つまんない地上波で、ギャーギャー騒ぐ番組ばかり。
映画だったら、テレビ嫌いなわたしでも見ていられる。

それから眠剤を飲んで、すぐにベッドに入り、一日を終えた。
わたしは早寝早起きなのだ。
規則正しい生活なら、わりと自信がある。
あとは、昔の勘を取り戻すことだな。
服が身体に馴染むように、昔の生活がわたしにゆっくりと馴染んでくるのを待とうと思う。

プロフィール

由巳ゆみ.

Author:由巳ゆみ.

2000年うつ病と診断される。
2010年躁うつ病と診断される。
現在は精神障害者として一人闘病生活を送っている。
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