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夕焼けにたそがれる

yuhi

昨日は、母が何気なく「堤防に座ってたら、中学生くらいの男の子が話しかけてきてん」と言った。

「珍しい子がおるなと思ったわ」
「ほんま、珍しいな」
「釣りしてたって言うてな、おじいさんとも出かけるって言うてたわ」
「へー」
「それで、わたしも昔は、××で釣りしてたって言うてん。そしたら、その子も行ったって」
「ふーん」
「クラスにも釣りしてる子が、一人いるって言うてたで。ほんま、珍しい子やわ」

わたしは、その中学生が変わり者で、将来、大物になるタイプなのかなと思った。
しかし、ただ座っているだけのおばあさんに声をかけるって、どういう心境だろう?
わたしがそれを考えているうち、一人のおばあさんが堤防で、淋しそうにうつむいている光景が浮かび上がってきた。
ああ、そうか。母は父とわたしがいなくなって淋しくなって、一人でじっと座っていたのだ。

そういえば、いまは1月で、堤防でのんびり座っている季節じゃない。
そうすると、次から次へとピンときた。
風邪を引いたのも、そのせいか・・・。

つまり、順序としてはこうだ。
寒さのなか、うつむいて一人座っている母に、中学生が「おばちゃん、どしたん?」
「ああ、おばちゃんのな、おじちゃんが死んでん」
「ふーん・・・」
「なにしてたん?」
「釣り。鯉釣っててん。じいじともするで」
「そうなー。おばちゃんもな、昔、おじちゃんと釣りやっててんで」
「おばちゃん、僕のクラスにもな、釣りする友だちがおんねん」
こんな具合じゃないだろうか。

おじいさんが死んで、淋しそうにしているおばあさんに、話しかける子ども。
なんだか、昔話みたいだな。
最近とみに思うけど、昔から言われている言葉って、そのとおりだなと感じるものが多い。
しかし、人生100年の現代、配偶者を亡くしたことで、あまり落ち込んでもいられない。
女はしぶといから、母には頑張って、いまを乗り越えてもらうしかない。

だが、わたしも微力ながら、母の手伝いをしなければならないだろう。
まあ、実家に帰ってくるだけだけど。
助け合う高齢の母と障害者の娘、という構図は、字面からして嫌いだけど、置かれた立場からは、こうするしかないな。
由巳ゆみ.
Posted by由巳ゆみ.