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病人に疲れる。

fusuma

昨日は、疲れ果ててしまった。
末期ガンの父が、とても体調が悪く、また看護師さんに来てもらったのだ。

「入院したら、音も聞こえるし大変ですよ」←看護師さん
「はあ・・・、まあ、私の吐いてる音も聞こえて、周りに迷惑かけますしね」←父
「逆に言うと、周りが吐いてる音が聞こえてくるんやで」←わたし

父は、音に敏感でとてもうるさい。
それなのに、病院に入院したいと言う。
安定感があるからだそうだ・・・、確かにそうかもしれないが、痴呆老人は叫んでいるし、各種機器が鳴っているし、騒音が嫌いな人は、1週間もいれば嫌になると思うがな。

看護師さんは、わたしと母だけの場所で、「いまから入院とか言ってたら、ダメですよ」と言った。
わたしが、「本人が入院したいって言ってるんですよ」と説明したら、看護師さんはちょっと意外そうな顔をした。
病院で最期を迎えたい人は、少ないんだろうか。
うちの父は、いまでも病院→ホスピスのルートを辿りたいと言っている。
ホスピスなんて家から遠いし、父の描いているような楽園じゃないと思うんだけどね・・・。
看護師さんも、このことをあまり現実として考えていないようだ。

看護師さんが帰ってから、父はまた盛大に吐き、その後わたしは疲れて、自室でうたた寝をしていた。
すると、いつの間にか、母と父の声が聞こえていて、母が「そんなんやったら、猫が来たときだけふすま開けて、いつもは閉じてたらええやん」と言った。
わたしはうつらうつらしながら、それは、父がわたしの部屋から聞こえてくる音がうるさい、と言ったんだろうなと悟った。
わたしは悪夢を見たような気がした。
うるさいって、わたしは一応、気を使ってたんだけどな。
これでうるさいって言われたら、息もできないよ。

わたしは、そのまま寝続けたが、嫌になったのは、静かにしろと言われたこと自体ではなく、こんな我儘なリクエストを次々と出されたら、そのうちわたしの方から、「もう病院に入れよ」と愛想をつかしそうな気がすることだった。
わたしは、もともと冷酷なのだ。
母の介護のことを考えると憂鬱になるのも、そのせいである。
どこまでも優しく、その人のために、というのは無理なのである。

病人は我儘だって、こういうことだったのか・・・。
わたしは、この数日間、父にも母にも振り回されている感じで、ちょっとしんどくなってきた。
でも、これは前哨戦だって言うんだから、怖いよな。
心身がもつかどうか、いまから考えてぐったりなのである。
由巳ゆみ.
Posted by由巳ゆみ.